MTM-Basic(実習)
開催レポート

講師・スタッフ

Pia Edlund Johansson
(講師・歯科衛生士)

西 真紀子
(コーディネータ・歯科医師)

日時・会場

2023年10月21日(土)
〜22日(日)

会場:富士通クリニック
(神奈川県川崎市)



フォトレポート
2023年10月21日(土)

◉講義
「スウェーデンの歯科衛生臨床」

 コーディネータの西真紀子先生による講師の紹介、セミナーの趣旨説明などの導入に続き、 Pia Edlund Johansson先生の講義が始まりました。

「スウェーデンの歯科衛生臨床」と題して、スケーリング・メンテナンス・歯肉退縮・歯肉の健康の判定などについて、最新の知見と実践に基づいた内容の講義でした。講師は常に活発な質問とディスカッションをうながし、受講者が積極的に参加するスタイルの講義となりました。



◉実習
「基本的なインスツルメントや姿勢など」

クリニックの診療室に移動し、顎模型がセットされたマネキンを装着した診療チェアを使って実習が行われました。
最初に講師が日常的に使っているインスツルメントが紹介され、持ち方や構え方、基本的な使い方などの実演がありました。その後参加者は各診療室に分かれて各自に実習を行いました。

「バキュームやスケーラを保持するために患者の肩や額を利用させてもらいましょう」との講師の言葉は、多くの歯科衛生士が長期間活躍することが前提であるスウェーデンの歯科衛生士ならではのアドバイスでした。
少し驚いたように聴いていた参加者に対して、「患者にとっては数十分の診療を、歯科衛生士は毎日何十年も続けなければならないという事実を患者に伝えるべき」という講師の言葉は、専門職として自信を持てという日本の歯科衛生士への激励にも聞こえました。

オーラルフィジシャン歯科医院として診療を行うためにリニューアルされた広い診療室での少人数での実習で、各部屋のサポート歯科衛生士が配置され、講師とコーディネータが巡回してアドバイスを行うなど、手厚いサポートと充実した設備での実習となりました。



◉懇親会

富士通株式会社様のご厚意により、会場に隣接する富士通川崎工場で懇親会を開催しました。

この日は近隣で花火大会が開催されており、地上20Fにある海外貴賓もお迎えしたという場所から花火を眺めるという、またとないシチュエーションに恵まれた懇親会となりました。




2023年10月22日(日)

◉実習
スケーリングとシャープニング

スケーリングの基本から応用までさまざまなテクニックについて講師の実演があり、その後各診療チェアでの実習を行いました。また今回機材提供でもご協力いただいた白水貿易様インストラクターによるシャープニングの実演と実習も行いました。
合間にはコーディネータの西先生の提案によるテーマでの実演・実習なども行われました。

講習も2日めとなり質問なども活発に出る雰囲気の中、参加者はそれぞれ自分のテーマを持って講習を受講していました。




◉講義
Q&A・まとめ

Q&Aについては、事前に募集した質問と症例についての講師より回答がありました。また今回のセミナー全体について、歯科医療についてなど、当日にもさまざまな質問と回答がありました。

「歯科衛生士にとって最も重要なことは、患者に自分の口腔内の状態を理解させること」という講師の言葉は、患者の口腔内の清掃に終始しがちな日本の歯科衛生士には大きな気づきとなったことでしょう。

講義と実習を組みあわせ、歯科先進国スウェーデンの歯科衛生士から直接学べた本セミナーは、参加者自身と所属医院に確かな知識と技術をもたらすことでしょう。




謝辞


富士通クリニック様

予防型OP歯科医院として改装したばかりの歯科クリニックのすべての個室を会場として使わせていただき、控室、食堂、全員分のロッカーなど、複数フロアの広範囲にわたる設備をご提供いただいたきました。また歯科のスタッフはもちろん、富士通クリニック様及び各部署の社員の方々に、準備段階から撤収まで長期間、長時間にわたりすべての面で大変なご助力をいただきました。


富士通株式会社様

近隣での花火大会開催当日で繁忙期にもかかわらず懇親会場、会食をご手配いただき、また両日とも多くのスタッフにご参加いただきました。


サポート歯科医院様

アップルデンタルセンターの花岡様、M,デンタルクリニック松野歯科の小野様、ダイセー歯科クリニックの山田様には、サポートDHとして企画への助言、当日の参加者へのアドバイスなどをお願いいたしました。


協賛企業様

白水貿易様には企画段階からご協力いただき、当日は超音波スケーラ、シャープナーを必要台数ご用意いただきました。会場にはインストラクターを派遣いただき操作デモ、実習中の参加者へのアドバイスをいただきました。クロスフィールド様にはペースト等の講習資材をご提供いただきました。


通訳・岩上様

2日間にわたり講師につきそい、専門的な内容から懇親会での会話まで、常に違和感のない適切で理解しやすい通訳をしていただきました。




フォトギャラリー

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感想文

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  • 衛生士に向けてのセミナーは、あまり参加した事がないため日頃の小さな疑問が解決出来る機会になって良かったです。
  • 今までコロナ禍だった事もありオンラインセミナーが多い中実習形式で直接スウェーデンの衛生士さんに教えて頂く事ができとても有意義な2日間でした。又他の医院の衛生士さんとも知り合えて同じ悩みや思いを共有できこれからの仕事への意欲に繋がったと思っています。特にスケーリング実習の時衛生士の身体の負担がないよう患者の頭や肩に固定を取らせて頂く行為は衛生士が長く仕事をする上でも必要があると思いました。又分岐部病変処置についても器具の選び方や処置の手順等大変参考になる内容でした。又探知の仕方やシャープニング方法などの内容もとても勉強になりました。
    今回学んだことを医院に還元できるようにしたいと思います。
    夜の花火大会も良い思いでになりました。
    このような意義あるセミナーを開催していただきありがとうございました。
  • 今回セミナーに参加させていただき、2日間とても有意義な時間となり貴重な時間を作っていただきありがとうございました。
    セミナーでは普段の臨床で苦手な部分の再確認、より専門的な部分の知識を教えていただくことができました。
    まずは患者さんの口腔内の現状を把握(問診、EPP、動揺度、PCR、BOP)などを正確に行い、それに伴い個人の口腔衛生レベルには何が必要かを考えること。また患者さんの生活習慣の聞き取り、TBIにきちんと時間をかけること。
    そのためには患者さんとしっかりコミュニケーションをとることが大切であり、施術ばかりに意識を向けるだけではなく、患者さんと対話する時間を作って、その方に寄り添える歯科衛生士でありたいと改めて感じました。
    PCRとBOPは必ずしも一対一の相互関係はなく、まずは患者さんの口腔健康にフォーカスをおくこと。数字だけに意識を向けずに患者さんのリスクファクターをみる、視点を広げて全身の健康をみていかなければならないと学びました。
    また、分岐部病変のある患者さんへのアプローチとして歯科衛生士の立場としては、歯石付着がないかしっかり探知をすること。
    分岐部の歯石が確認されたらSRPを行いその都度、探知をし残石がないかチェックすること。
    最後に根面を滑沢にし、フッ素塗布を行う。
    自分自身、分岐部の探知からSRPに対して苦手意識がありましたが、今回の実習で分岐部へのスケーラーの当て方動かし方を教えていただき、再度確認することが出来たのでさ臨床で活かせるように努めていきたいです。

    実技の実習で印象深かったのが、チェアの姿勢についてです。
    歯科衛生士として長く続けるためには、自分自身の身体を守らなければいけない。
    自分が動くのではなく、患者さんに施術しやすい角度に顔を向けてもらう、レストを患者の額に置く、患者に近いて自分の姿勢を崩さないことで肩や首の痛みの軽減につながると学びました。明日からチェアの姿勢を見直し臨床に生かします。

    pia先生西先生をはじめ多くのスタッフの方々に、このような有意義な時間を作っていただきありがとうございました。自分自身にとって成長につながる大切な二日間になりました。
    また明日から気合いをいれて頑張ります!
    ありがとうございました。
  • 私は今回初めてピア先生のお話を聞かせていただきました。スウェーデンでの実際の歯科衛生士業務や手技など沢山学ぶことができ、とても充実したセミナーでした。このような貴重なセミナーに参加出来て光栄です。ありがとうございました。
  • 2日間という限られた時間の中で、講義だけでなく実習も行えたこと、また、Pia先生の手技に、触れられたことは、大変、貴重だったと感じます。リアルセミナーだったことで、直接質問することができ、オンラインでないことに有難みを感じました。
    内容に関しましても、探知や超音波など基本の部分で、自身の方法と違ったものもあり、新たに試してみようと思うものもありましたし、日ごろ臨床で抱えている分岐部やインプラントのような問題点に関しましても、引き出しを増やすことができたと感じております。
    スウェーデンの臨床、Pia先生の臨床共に、大変参考になりました。
    また、Pia先生の雰囲気がとても素敵で、指導の仕方や、伝え方なども勉強になりました。
    2日間ありがとうございました。
  • とても良い経験になりました。学んだことを患者さんの口腔ケアに活かしていきたいです。
  • 日々の診療でどうしたらいいのだろうと疑問に思っていたこと、他の衛生士さんはどのように結果を出しているのだろうと思うことを質問させていただいたり今まで自院で触れて来なかった器材を実際に使ってみれたりと得る物が多いセミナーだったと思いました。
    何よりも実際に対面で質問をして返答を貰えるというのは、新たな気付きにも繋がり、とても有意義な時間でした。