パーク24健康セミナー
企業への予防歯科啓発が、歯科医師自身の視野も広げる

集合写真

一昨年に引き続き、パーク24株式会社の健康セミナーにおいて、JOF理事の晝間先生がWeb講演を行いました。
今回のテーマは、「知覚過敏と予防歯科」です。
知覚過敏は、多くの方が一度は経験する身近な症状です。しかし、その原因や適切な対処法、予防の考え方については、必ずしも正しく理解されているとは限りません。
今回のセミナーでは、知覚過敏を入り口として、日常生活の中で歯と口の健康を守るために必要な知識や、症状が現れてから治療するだけではなく、問題が起こる前から健康を管理する予防歯科の考え方について、歯科医師の立場から分かりやすくお話しさせていただきました。

開催概要

日時
2026年7月9日(木)  午後12時15分~午後12時55分
開催方法
オンライン
講師
晝間 康明(JOF理事)

開催レポート

歯科医師が企業で話すことの意味

歯科医師が歯科医院の外に出て、企業で働く方々に直接お話しすることには、大きな意味があります。日頃、歯科医院を受診する機会が少ない方にとって、歯科医師から歯や口の健康について話を聞くことは、自分自身の健康を見直す貴重な機会になります。

知覚過敏やむし歯、歯周病といった身近な問題について正しい知識を得ることで、症状を放置せず、必要な時期に歯科医院を受診することにつながります。また、定期的なメインテナンスやセルフケアの重要性を知ることで、「悪くなったら歯科医院へ行く」という考え方から、「健康を守るために歯科医院を利用する」という考え方へと変わっていきます。

企業で働く方々の歯科医療に対するリテラシーが高まることは、私たちが進めている予防歯科活動への理解が広がることでもあります。

一度の講演ですべてが変わるわけではありません。しかし、歯科医師が社会に向けて継続的に情報を発信することで、予防歯科という考え方は少しずつ生活の中に根づいていくのだと思います。

企業の健康づくりと予防歯科

従業員の健康を支えることは、企業にとって重要な取り組みの一つです。

歯や口の健康は、食事や会話といった日常生活だけでなく、働く人の体調や生活の質にも深く関係しています。歯の痛みや知覚過敏などの不調を抱えながら仕事を続けることは、本人にとって大きな負担になります。

その意味でも、企業の健康セミナーに歯科のテーマを取り入れることは、従業員の健康管理を考えるうえで意義のある取り組みです。

パーク24株式会社では、働く環境そのものにもさまざまな工夫がされています。カフェのような社員食堂や、部署を超えて自然に交流できるオープンスペース、社員同士のコミュニケーションを促すオフィス設計など、働く人を大切にする企業姿勢が感じられます。

こうした職場環境と健康セミナーの実施は、いずれも単なる福利厚生ではありません。社員が健康に働き、互いに交流し、新しい発想や改善を生み出すための企業文化づくりの一つとして位置づけられているのだと思います。

晝間講師
晝間講師

講演する歯科医師にとっても、かけがえのない機会

企業での講演は、参加者に歯科の知識を伝えるだけのものではありません。
講師を務める歯科医師にとっても、自分の視野を歯科業界の外へ広げる貴重な機会になります。

歯科医院では、日頃接する人の多くが患者さんや医院スタッフ、歯科関係者です。その環境だけで仕事を続けていると、知らず知らずのうちに、歯科業界の中だけで通用する言葉や考え方に偏ってしまうことがあります。

企業で働く一般の方々に伝えるためには、専門用語を並べるのではなく、「なぜ知覚過敏が起こるのか」「なぜ予防が必要なのか」「明日から何をすればよいのか」を、誰にでも理解できる言葉で説明しなければなりません。

自分たちにとって当たり前の知識を、初めて聞く人にも分かるように伝える。この経験は、歯科医師の説明力やコミュニケーション力を磨き、日々の診療にも還元されていきます。

また、企業の文化や働き方、健康に対する考え方に触れることは、歯科医院という組織を経営するうえでも、多くの気づきを与えてくれます。

「町の歯科医師」だからこそ社会へ出ていく

地域の歯科医院で診療を行う歯科医師は、地域住民の健康を身近な場所で支える医療者です。

いわゆる「町の歯医者」は、大学病院や大規模な医療機関とは異なり、患者さんの生活や家族、仕事、地域との関係を長く見守ることができます。その存在は、地域社会にとってかけがえのないものです。

だからこそ、診療室の中だけにとどまらず、企業や学校、地域の集まりなどへ積極的に出向き、歯科医療について伝える活動には大きな価値があります。

こうした活動は、決して一部の著名な歯科医師だけが行うものではありません。
日々、地域の患者さんと向き合っている歯科医師だからこそ伝えられることがあります。実際の診療経験に基づいた言葉には、専門書やインターネット上の情報とは異なる説得力があります。

企業での講演活動を、単なる広報や医院の宣伝として捉えるのではなく、地域医療を担う歯科医師が、医療者として、そして一人の社会人としてブラッシュアップされる機会と捉えることが大切です。

晝間講師
晝間講師

社会に伝えることで、予防歯科は広がっていく

予防歯科を社会に定着させるためには、歯科医院の中で患者さんを待っているだけでは十分ではありません。

歯科医師や歯科衛生士が、自ら社会との接点をつくり、歯と口の健康について伝えていく必要があります。
企業での健康セミナーは、そのための重要な活動の一つです。

講演を聞いた方の歯科リテラシーが高まり、予防歯科への理解が深まる。そして、講演を担当した歯科医師もまた、歯科業界の外に視野を広げ、説明力や社会性を磨いていく。

そこには、情報を一方向に伝えるだけではない、双方にとっての学びがあります。

今回のパーク24健康セミナーは、歯科医療を社会に伝えることの意義と、歯科医師が社会との関わりの中で成長していくことの大切さを、改めて感じさせてくれる機会となりました。

今後もJOFでは、予防歯科を歯科医院の中だけの活動にとどめることなく、企業や地域社会へ広く伝えていきたいと考えています。
そして、より多くの歯科医師がこうした活動に参加し、地域を支える医療者として新たな経験を重ねていくことを期待しています。

晝間講師
晝間講師

※ 掲載写真は2024年開催時の写真です